Blotted Science-The Machinations of Dimentia(2007)
またメタルのレビューになってしまうが、
最近こればかり聞いていないので仕方がない。
3ピースインストデスメタル、Blotted Science。
ギターはWatchtowerのRon Jarzombek
ベースはCannibal CorpseのAlex Webster
ドラムはCharlie Zeleny(彼は知らなかった)
夢のコラボバンド。
楽曲はデスメタルなリズム隊の上に、Watchtower仕込みの奇妙なギターリはがのっかる。
まず、ギターリフ自体はスラッシュメタルであるWatchtowerとあまり変わりはないのだが、重めの音楽性になってもものすごくかっこいいし相変わらず奇妙。如何に優れたリフメイカーがわかる。
また、ギターメロもメタルとフュージョンの間をいく独特なものだが、最近流行のものっぽいわけでもなく、あつくなれるほうのやつである。素直にかっこいい。
個人的にスラッシュメタルのボーカルが苦手なので、インストでこのリフが聞けるのもポイント高い(Watchtowerのボーカルはまだ苦手ではないほうだけれど)
リズム隊もめちゃくちゃ目立つし、やはりかなりうまい。個人的に驚いたのはAlex Websterのベース。
Cannibal Corpseだと音楽性からくるミキシング等々で、腐り気味のベース音ではあるが、本作ではモダンでラウドなベース音である。
また、演奏自体もテクニカルでモダンなかっちりさでまとまっており、こんなのも弾けたのかと驚き。
もちろんかなりの実力者であることは知っていたが、引き出しの多さに感銘を受けた。
ベースの印象が強すぎてドラムをあまり語れないが(申し訳ない)、テクニカルなフレーズをかっちりとしたグルーヴで刻んでおり、人外である。
そういえば、ドラマーは南米の多弦ギタリストFelix Martinの作品に参加したことがあるみたい。こんなのも叩けるのか、世の中にはすごいドラマーがまだまだたくさんいるんだな。
ギターリフは奇怪であるがかなり耳に残るので、飽きもしなくアルバムとしての聞き応えは保証できる。
Ron Jarzombekは曲を作るときに数学的なことを中心に考えるらしいけど、確かに一音ずつ増えてく展開とかもあり、らしさがあった。それでもキャッチーさは損なわれない。すごいバランス感覚。
WatchtowerはDream Theaterの前座を務めたことがあるみたいだが、DTと違ってメタルヒストリーを継いでないところがあるような気がする。なんとなく、断絶がある。Meshuggahも断絶なのかな、難しいところだが。
僕はそういうメタルが好きなので、Watchtowerも例に漏れず好きになったのだが、いかんせん作品が少ないので、、、今作に出会えてよかった。
Watchtower好きな人とか、ギターインストが好きな人は楽しめると思う。ここ最近流行りのギターインストと違ってラウドなので、熱くなれる。