Evan Brewer-Alone(2011)
ベーシストEvan Brewerによる1stアルバム。
Sumerian Recordsからリリース。
Sumerian Recordsといえば、Periphery(現在は自主レーベルに所属),Veil of MayaやAnimals as Leaders等のテクニカルでプログレッシブなメタルを抱えているレーベルとして有名だと思うが、Evan Brewerはそこに所属する唯一のソロベーシスト。
ソロベーシストが何故Sumerian Recordsに?となるが、
実は彼、所属していたバンドの経歴がすごくて
・Reflux(Animals as LeadersのギタリストTosin Abasiが、昔やっていたメタルバンド)
・The Faceless(現在Sumerian Recordsに所属しているテクニカルデスメタルバンド。メンバーの脱退加入の激しさでも有名かもしれない)
・Entheos(元Animals as Leaders等のメンバーで結成されたプログレッシブデスメタルバンド。ボーカルは、Veil of Mayaのオーディションに参加したことがある。ボーカルによるVoMカバー動画→
)
と、テクニカルなメタルバンドに所属してきた異色の経歴の持ち主。
2019年までEntheosに所属した後、現在はソロに戻ったみたい。
と、ここまで見てきた通りテクニカルなベーシストであるので、Sumerian Recordsに所属してても不思議じゃないソロベーシストである。
肝心なアルバムの内容であるが、普通のソロベース作品。メタルの欠片もないので、聞く人を選ばない作品であると言える。
基本的に、ギターやシンセ等の上物を使わず、ソロベースで進行していく。たまにドラムビートが登場するが味付け程度。文字通りソロベース作品。
Victor Wooten等のような、ハイミッドが強調されたスラップベースや指弾きでテクニカルなフレーズが繰り返されるので、一聴した感じ余り目新しいところはないように感じるかもしれないが、リズムの正確さや手数の多さはメタルっぽいなといった感じ。
たまにそれこそThe Faceless等のテクデスを思い起こさせるコード進行を使ったりするところは、この手のソロベーシストにはない面白みである。繰り返しになるが、うるさくはない。不気味な感じ。
また、途中で不気味なフレーズをフレットレスベースを使って弾くのも、テクデスっぽさがありやはり新鮮。フレットレスベースというとジャズなどで使われメタルでは全く使われないイメージがあるが、テクデス、プログレデスではかなり使われる(ぱっと思いついた限りCynicやObscura,Beyond Creationとか)。
一方で、途中途中Lofiっぽいトラックがあったりと、曲ごとの幅は広い。
こんだけ弾けたら普通のメタルバンドじゃ満足しないよなといった感じ。上記の所属してたバンドでも、所々面白いフレーズはあったけど全然目立ってなかったもんね。
メタルベーシストだけど、万人にお勧めできる面白いアルバムだと思う。